組織に所属しない生き方、ミニマムなフリーランスを目指して。

 

200名ほどの会社に勤めていた私は、

一等地の高層ビルの高いところで仕事をしていました。

 

社長がいつも言っていました。

「一人当たり会社で80万円前後のコストがかかっている」

それ以上の生産性を求めるという営業への激励であると共に、

そこには多くの気づきがありました。

 

月にもらう給料が手取りで20万円、残業もボーナスもない

ブラック企業と内外問わず言われる環境で、

何に残りの60万円がかかっていたのか。

と。

(残業代でも、ボーナスでもありません。汗)

 

会社に所属しない生き方をする上で、

意外と会社にお世話になっていたという美談と、

意外と会社に所属しないという難しさについての苦談をまとめていきます。

意外と会社が負担している話

 

人1名を雇用するのに対してかかる費用は

給料額面だけではありません。

 

給料支払い社会保険料金 と 設備費用 の総計が企業負担となります。

 

また企業ブランディングで営業の優位性採用の優位性を獲得するべく、

企業ブランディングに関する費用、広告宣伝費用、採用費用などはプラスで企業のコストとして発生してきます。

 

日頃、雇用されている営業マンの方が、会社名を名乗って営業で受注できているのは(個人の力ももちろんですが)社名の認知度に対して企業がお金を払ってくれているからかもしれません。

同様に、日頃、雇用されている採用担当者の方が、会社名を名乗って採用に成功しているのは社名の認知度に対して企業がお金を払ってくれているからかもしれません。

 

そういった金額も含めて、雇用一人あたりの企業負担を考えていきます。

 

社会保険料について考える

社会保険料金については私はプロではないので、
各方面プロの方が書いた記事を参考にまとめさせて頂きます。

 

50万円の給料額面の方の場合

・給料額面 ……500,000円
(以下控除額)
・健康保険料……39,260円(会社と折半)
・年金保険料……40,145円(会社と折半)
・雇用保険料…… 3,000円(会社は額面の9.5/1000の負担)
・源泉所得税……14,440円(個人負担)
———————————————————–
・給料手取額……403,155円

要は、年収600万円の正社員の手取り金額は月、約40万円であるということがわかります。

 

・給与手取額……403,155円
・健康保険料……78,520円(うち半分の39,260円は従業員負担)
・年金保険料……80,290円(うち半分の40,145円は従業員負担)
・雇用保険料…… 7,750円(うち3,000円は従業員負担)
・児童手当拠出金… 650円(100%会社負担)※子ども有無関係なく発生
・労災保険料…… 1,500円(100%会社負担)※業種により料率異なる
———————————————————–
合計  571,865円 (×12=年額6,862,380円)

(上記表、アクシスコンサルティング様参考)

要は、手取り月40万円の正社員に対して企業で負担する金額は月約57万円であるということがわかります。

 

上記は給料支払い + 社会保険料のみの金額。

これにプラス、設備費用と、広告宣伝、ブランディングに関する費用がかかります。

 

設備費用について考える

設備は広義、狭義捉え方によって様々ですが、

ここでは設備を施設設備雇用設備の二つに分けて考えます。

当然ながらこれらは企業によって様々です。

 

①施設設備

働く場所に関する設備についてです。

仕事する上での場所代、通信費用、光熱費用などがこの設備費用になります。

 

特に事務所費用がもっとも大きい割合を占めるかと思いますが、

数百人規模の会社ですと月数百万円の事務所費用(初期費用は相当分)がかかります。

 

数人の企業であれば月30万円のSOHOマンションでも、

初期費用で250万円前後、そして月の30万円を払う形でコストが発生致します。

詳しくは以下のページをご覧ください。

登記の所在地をコワーキングスペースに設定する5つのメリット

 

事務所費用以外にも、社内WiFiを引いたり、電話営業をする会社であれば電話回線を引き、電話器を用意する必要があります。

FAX機なども必要です。

社用車があるといいなと思うとその初期購入費用、駐車料金、保険料金など月々費用も発生します。

事務所として座っている作業デスクなどもすべてこの施設設備となります。

 

少し作業している普段の事務所を見渡してみると、すべてがコストとなっていることかと思います。

その場所を利用することに一人当に割っても多くの費用が発生しています。

②雇用設備

主に福利厚生の社会保険を抜いた部分と定義します。

雇用する上で働きやすい環境を作る上での設備です。

 

通勤手当などはこちらに含まれます。

家賃手当や、育児休暇、産休、有給など様々、会社の取り決めに応じて発生してきます。

 

月の給料は支給金額に対して社会保険料が企業にも多く課金されるのに対し、

雇用設備、福利厚生は経費として直接支給できるため、給料で従業員に還元するのではなく、福利厚生で還元することで従業員満足を高めようという企業も多くあります。

 

有給などはわかりやすいかと思いますが、働かない時間に支払う必要があるため、こういった雇用設備も一人当たりのコストの引き上げに繋がります。

 

広告宣伝、ブランディング費用について考える

上述の通り、会社のブランディングがあるからこそ、皆様の日頃の仕事が順調に捗るということは多くあります。

会社に所属している以上、企業イメージ(ブランディング)は切っても切れないものであり、決して個人の力だけで仕事をしているわけではありません。

 

例えば、

会社の所在地が、銀座にある。

事務所が有名な高層ビルに入っている。

〇〇アワードで、表彰された。

会社が取材された。

会社がCMを出した。

みんなが使っているあのサービスの会社だ。

 

だから、この会社に発注しよう。

だから、この会社に就職しよう。

となるために会社はお金を使っています。

 

上記無料でできるものもありますが、ほとんどが企業が対価を支払っています。

 

さて、次の問題は企業が売り上げに対してどれだけの広告予算を使っているのか。

よく言われる事例です。

化粧品、健康食品会社の売り上比で、広告予算は平均10%と言われます。

 

商品の最初の発売時のタイミングだと、売り上げのほとんどを広告予算に投じている会社もあるようです。

初期立ち上げの企業であれば、5~10%くらいとすると、

営業マンが稼いできた売り上げの1/20以上はそのまま会社のコストとなっているわけです。

 

意外と会社が負担している事実をまとめる

これまでの記述の通り、企業は皆様の組織での活動を支えるべく多くのコストがかかっています。

 

手取り金額の1.5倍の金額を企業は人件費と社会保険料で支払っています

20人くらいの会社ですと一人当たり、10万前後かかっているかと。(会社実例)

広告費用が発生しているため営業の人は稼いだ10%は会社の数字だと思いましょう。

 

意外と独立してもお金がかかる話

独立して、働く場所に縛られず、時間に縛られず、お金にならない既存のお客様対応に縛られず。

そういった仕事をしようとしても意外と様々な費用がかかるもの。

とある2名のホームページ制作会社会社の実例を元にお話しする。

 

人件費、社会保険料金

1人は代表取締役社長である。社会保険は未加入。実際はよくないらしい。

45万円分は給料として自分の口座に振り込んでいる。

1人は正社員である。社会保険は加入。

25万円を月の給料とする。会社は約30万円の支払いをする。

 

月々75万円は支払いに費用がかかる。

 

施設設備

小さいSOHOマンションを借りている、月13万円+賃貸の初期費用(100万円かかった)

光回線を引いている。月々7000円ほどの支払いとなる。

会社にはデスクが3台、PCが3台ある。

PCは個人がそれぞれ支払い、会社共有のPCが1台、15万円する。

デスクは2万円ほどだ。

光熱費用は月々2万5000円ほどかかる。

社用車を1台所有しており、購入に50万円

駐車料金、維持費用含めて月々6万円かかる。

 

これらを2年間のスパンの設備投資だとすると

月々約29万円の費用が発生する。

 

雇用設備

少人数の会社であるが故に、福利厚生はほとんどない。

打ち合わせを各週、飲み屋さんに行って行うため、6000円×4=24000円が月々かかる。

交通費用は正社員に月1万円の支払いをする。

営業で出るために、月追加で1万5千円ほどの費用が発生する。

 

まとめると5万円ほどのコスト感である。

 

広告宣伝費用

この会社の例だとホームページ制作会社としてあいみつという相見積もりサイトをメインに活動をしている。

見込みのある顧客を紹介してもらうのに月50万円の料金が発生する。

 

サービス原価

また制作は自分たちで行いながら、ランサーズでアウトソーシングをしているため、

月30万円ほどは制作部門に費用をかけている。

 

ある2名のホームページ制作会社会社の実例

上記各項目をまとまる。

人件費:75万円

設備費用:34万円

広告予算:50万円

サービス原価:30万円

 

月々の支払い総額としては約189万円になる。

わかりやすい部分を計算したが、経理全般を外注していたり、顧客の未回収リスクなど考えると、

2名で、月々200万円、それ以上の受注総額が最低限必要となる。

 

2名の会社でも意外とかかるものだ。。

 

ミニマムな事業形態を目指す

 

人件費を削ることは難しい、人を雇っているが故に収益を得る

人件費を削ることは難しいです。

成果主義で会社のルールで削ることはできますが、2名で固定給をもらう社員だと削ることは難しい。

そもそも雇わないか、雇っているが故にもらえる制度を活用しましょう。

助成金という仕組みをご存知でしょうか?

 

雇用保険料の一部を雇用促進を目的として、

企業の状況に合わせて届け出を出した企業に支払います。

条件は様々あありますが、2名の企業でも数百万円単位で受給できますので、

詳しい人に相談してみましょう!

(上述の理由のため、雇用保険加入義務がありますのでご注意ください。)

設備費用

設備は会社の状況に合わせて最小化可能です。

企業の所在地は、決して初期費用で何百万も払い賃貸契約を交わす必要はなく、

レンタルスペースでも登記可能です。

登記の所在地をコワーキングスペースに設定する5つのメリット

 

インターネット回線を引く必要もありません。

FAXもインターネット上で完結するFAXのサービスを活用しましょう。

FAXが必要なノマドな皆様へ、D-Faxを使ってみる

 

この会社の代表曰く、「車は買う必要がなかったかな。」と。

大きい買い物は、「今なら安い」という言葉に惑わされず購入をすべきか考えましょう。

ミニマムにした先に

会社をミニマムにすることは手段であって、目的ではありません

【一人でこじんまりやっていく】目的のためにミニマム化をする人もいるでしょう。

【会社を大きくするための準備】を目的としてまずはミニマムに始める企業もあるでしょう。

 

コストを抑え、助成金にばっか目がいってしまう経営では、本来の目的を見失ってしまいます。

 

目的に合わせた設計をしていきましょう。

その一つの手段としてもっとミニマムに会社を展開することができるのでは?

と言うことをご理解いただけると嬉しく思います。

 

まとめ

勤務する形ではなく、フリーで働く人が増えると言われる時代、

これからの時代に合った働き方の提案を

当サイトで今後とも発信してまいります。

 

お読み頂きありがとうございました。

 

 

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